お金のこと

余裕資金って・・・「投資はなくなってもいいお金でやる」の間違い

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先日の投稿で、「投資にはリスクとリターンがあるからよく考えんとあかんのよ」という旨のことを書かせていただきました。読んでない方は、先に読んでおいていただけるとサンキューな気分です。

「投資はリスクを考え、リターンを思う」

ところで、こんなことを聞いたことはありますか?

投資は余裕資金でやるべき。たとえ全額なくなったとしても構わない資金で。

投資したお金は必ず増えるわけではなく、なくなってしまうこともあるのであるからして、生活に支障が出ないお金でやりましょう――という、ごくまっとうな意見です。

…でも、ホントになくなっちゃっていいんでしたっけ?

あなたはどれだけリスクをとれるのか?

ちょっと考えてみましょう。

前回の記事で、高いリターンを得るためには高いリスクをが必要、ということを書きました。ということは、できるだけ多くの利益を得るためには、どんどん高いリスクを取っていく必要があります。

さて、それではどれくらいリスクを取るんでしょうか? 20%くらい? 思い切って40%くらいリスクをとっちゃいましょうか! うまいこといったら「いきなりステーキ」あたりで肉食えますよ!

さて、ある人はこう考えました。

「は? 100%以外ありえないよね」

「だって、投資はなくなってもいいはずのお金でやってるんでしょ? だったら別にゼロになっても構わないはずなんだから、どーんとつぎ込んで一攫千金を目指すべきでしょ?」

みなさんならこの人の意見、どう思いますか?

よーく考えよー。お金は大事だよー。

まあ普通なら「なくなってもいい」というのは一種のたとえだということはわかると思います。だって、汗水たらして働いて、嫌なことも我慢して歯を食いしばってようやく貯まった虎の子の資金ですよ。ホントなら1円だってなくなってほしくはないです。

「なくなっていい」お金なんてないんです

まあこの人が本気で言ったのかジョークなのかはさておき、投資の話をするとよく、「極端なもののたとえ」が出てくることがありますね。

○○が破たんしたら(○○には有名企業とか国名とかが入りやすい)、とか、東京証券取引所がぶっつぶれて一切取引できなくなったらどうするの、とか。クーデターが起きて国が亡んだら全部紙切れになっちゃうよーみたいな。

まあ、上のたとえ話だとちょっと現実感がないのであれですけど、2,3日でアホみたいに金利が上がったらとか、素人目にはジョークに見えないたとえもでてきますね。

もちろん、上のことが絶対起きないわけではないですが、確率がちょー低いのは言うまでもありません。ちょっと極端なたとえで読者を脅かしてやろうとか、その方が直観的でわかりやすいだろう、と思って言ってるんだと思います。

ただ、気を付けないと「本当に真に受けてしまう」ことは起こりえますよね。特に初心者でよくわからない人だったり、人の話をてきとーに聞いてるような私だったり。

極端なたとえ話

投資は余裕資金でやりましょう、は別に変なことではないです。ただ、「なくなってもいいお金」というのは、下手をするとリスクを見誤らせたりする可能性があります。

今は余裕資金だとしても、将来は何かに使おうと思って投資するのではないでしょうか。老後の資金、こどもの学資、住宅購入や夢の実現…。だから、余裕資金だから「なくなってもいい」のではなく、未来のことだからこそ慎重に考える必要があると思うのです。

「極端なたとえ」は理解を早めたり、強いインパクトでもって伝えやすくなったりしますが、ときに本来の性質をゆがめて伝えてしまうことにもなりかねません。

受け取り手側である我々が慎重に耳を傾けないといけないですよね。

・・・おっと、真面目な結論が出たところで、それでは。