お金のこと

投資はリスクを考え、リターンを思う

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投資とかしていると少々厄介なところがありまして。

大切なお金を投資するからにはできるだけたくさん増えてほしいわけですが、そのためにはたくさん減るかもしれない可能性に踏み込まないといけません。虎穴にいらずんば虎児を得ず、みたいな面が強いのです。

お金が増えちゃうかもしれないし減っちゃうかもしれない、というのを、金融的にはリスクと呼んでいます。リスクという単語はなんか危険な香りがデンジャーですが、それほど悪い意味では使われていません。増えるかも、しれないし、減るかも、しれないのです。
(ただ、投資の世界でもリスクにはいろいろな種類があって、会話の流れで実は全然違うリスクについて語っていたり、優先すべきリスクを間違っちゃったりと結構面倒です。ただ、今回は増えたり減ったりすることをリスクとして統一しています)

また、投資した後に帰ってくるお金をリターンと呼んでいます。これはなんかわかりやすいですね。

今回はこのリスクとリターンには奇妙な関係があるというお話。

投資のリスクとはなんなのか

株を買ってみるとわかりますが、あるときには値段が跳ね上がったり、あるときにはひどく落ち込んだりします。思わずそっとなだめてあげたくなりそうですが、市場で取引されるようなものにはある程度自然に値段に幅が生まれてしまうのです。

chart-246953_1280たとえばこのイメージみたいな感じですね。これは架空のデータなんであれですが、上がったり下がったりを繰り返しながらある程度の値段に決まっていきます。

この時の動きの幅がリスクなのですが、過去の統計からある程度この幅がどれくらいなのか、確率で示すことができる、ということがわかっています。

たとえば68パーセントの確率で、1年間後に20パーセントくらい上下する可能性があるぞ、みたいなことです。

通なことを言うとこれが正規分布で、1σが20%なら2σが40%になるので、1年後には投資資金の値動き幅が40%くらいの間に収まる確率が95%だ、みたいな話です。

なんか自分で書いていても眠くなる話ですね。

とにかく、価格が上下する幅がリスクなんだ、と覚えておいていただきたい。

それじゃリターンはなんなんだ

リターンは増えたり減ったりして帰ってくるお金です。うーん、説明が楽。

たとえば「ある証券に投資をすると、1年後には大体平均で5%くらい増えて帰ってきますよ」ということなら、その証券のリターンは5%ということです。

リスクとリターンには関係がある

「帰ってくるお金が多いならそれが一番じゃん!」というのは誰でも思うところです。投資をして10倍とか100倍とか1億万倍みたいなことになったらうれしいですもんね。私だったら超うれしいですよ!

だとすると、リターンが大きな投資をしたい!ぜひとも投資させて下しあ!となってしまうところなのですが、ちょっとここでちょっかいを出してくるやつがいます!

それがリスクなのです。

そもそもなぜ投資をするとお金が増えて帰ってくるのでしょうか?(え?あなたは減ってる?それは不思議ですね???)

それは当然値段が変動して高くなるからですよね?
(配当などの話はちょっと置いておきますよ)

つまり値段が大きく動いてより高くなれば、我々が希望する1億万円的なリターンが得られるわけですね。ところが、値段が大きく動いて高くなる可能性があるということは、同じだけ逆方向に動いて大きく下がってしまう可能性もあるということなのです。

つまり、リスクが高くないとリターンも上がらないのです。逆の言い方をすると、リスクが高いなら高いリターンも期待できるはずだ、ともいえます。大きく儲けたいときは大きく損をする覚悟が必要ということです。

覚悟はOKか?俺はできてr…ません

 

年金の運用で超有名なGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人…長い)は、さまざまな投資対象のリスクやリターンを計算し、公表しています。

たとえば、日本の株式だとリスクは22.48%でリターンは4.8%。債券だとリスクが6.5%でリターンが3.0%という感じです。

まあそもそも「その数字を信じるか信じないかはあなた次第」という側面はありますが、その話はさておき、債券はリスクの割に結構リターンがいいなぁという気がしませんか? 比べるとリスクの差が約16%もあるのに、リターンの差は2%に満たないくらいです。

そうすると、なんかリスクを取ってる割にむくわれねーなーという気もしますよね?

実は単純にリスクが大きいから報われるかどうか、というのは投資対象や国、時代によっても異なってくるので、たとえば「10%リスクが増えると2%リターンが増える」といった感じに、単純には言えないのですね。

投資をするときは、この厄介なリスクとリターンをよくよく考える必要がある、ということです。ただ、投資対象をいろいろ組み合わせることでもっと面白いこともできるわけです。
そのあたりはまた別の講釈で。